冷蔵車、冷凍車について

冷蔵車、冷凍車について

全国的に梅雨明けし、真夏に突入しましたね。

関西も連日35℃以上の猛暑日が続き大変厳しい暑さとなっております。
夏に相談される一つに「冷蔵車、冷凍車が冷えない」というご相談があります。

真夏日に冷蔵、冷凍機能に不調が発生するのはとても困りますね。
日々のメンテナンスで予防や故障の予知ができますので、今回は冷蔵、冷凍の仕組みや故障原因などについてお話したいと思います。

 

冷蔵車、冷凍車の種類について

名前の通り、冷蔵する機能と冷凍する機能に分かれており、大きく分けてこの2種類に分類されます。

「冷蔵車は中温車」

マイナス5℃前後まで冷却ができます。
精肉や鮮魚の輸送に利用されます。

「冷凍車は低温車」

アイスクリームや冷凍食品の輸送に利用されます。

 

冷却する動力にも種類があります。

エンジンから直接動力を得る「直結タイプ」と、荷台に専用のサブエンジンを搭載した「サブエンジンタイプ」があります。

エンジンから直接動力を得る「直結タイプ」はエンジンを掛けっぱなしにしておく必要がありますが、サブエンジンを搭載したモデルではエンジンを切っても冷蔵、冷凍機能が働くので長距離輸送などに使用されます。

 

冷却方法の種類について

冷却システムには、「機械式」「窒素式」「蓄冷式」と3つ種類があります。

「機械式」

主に利用されているのは「機械式」となっており、クーラーと同様の原理で冷やします。  
コンプレッサーで冷媒を圧縮しエバポレーターで気化して荷台内の空気を冷却するというカーエアコンと同様の仕組みです。
温度管理がしやすく保冷時間にも制限もないため、一般的な冷却システムです。

「窒素式」

名前の通り、窒素を用いて冷却しており、荷台はー40℃まで冷やす事が可能です。
ただし、液体窒素を使うため補充が必要で長距離輸送には向きません。
液体窒素の料金も高額なため、輸送コストも上がります。

「蓄冷タイプ」

凍結させた冷凍板の冷気によってコンテナ内を一定の温度に保つ方式です。
輸送時間外や夜間の時間を使って冷凍機を稼働させ、コンテナ内に装備された冷凍板を凍結させる仕組みです。
エンジンを長時間停止させた場合でも、一定の保冷効果が期待できることから、近場の輸送や配達に適しています。

 

メンテナンスについて

冷蔵車、冷凍車は3ヶ月に1回の簡易点検が法律で義務付けられています。
さらに、一部の直結エンジンタイプとサブエンジンタイプは1年に1回以上の定期点検が義務付けられています。

この点検以外にも、以下の箇所について定期的にメンテナンスを行う事で不調を未然を防ぐ事ができます。

ドレンホースの洗浄

ドレンホースは冷却機能を行うために重要なパーツです。
ゴミが詰まりやすいため、定期的に洗浄をしゴミを取り除く必要があります。
また、ホースなので亀裂が発生する事もあります。亀裂から冷気を逃がしてしまうため、洗浄時にホースに亀裂が入っていないかもチェックすることをオススメします。

コンプレッサーベルト(機械式)の確認

コンプレッサーベルトにタルミやユルミがあるとコンプレッサー故障につながります。
ベルトを指で押してみて、テンションがかかっているか確認することをオススメします。

パッキンやコーキング、荷台の状態

パッキンやコーキングは経年劣化し、劣化した場合は冷却機能を低下させます。
また荷台の壁に亀裂や穴があいていた場合も冷却機能を低下させるため、小さい穴でも注意して確認しましょう。
パッキン、コーキングなどはテープでも応急処置ができるため、定期的に目視で確認する事で冷却機能の低下を防ぐ事ができます。

 

ネット通販の増加で、冷蔵・冷凍輸送の需要が高まっています!!

最近はネット通販の利用が多くなり、冷蔵、冷凍輸送の需要が高まっています。
また夏は繁忙期という事もあり、特に冷蔵、冷凍の機能が必要とされます。
トラック本体のメンテナンスも必要ですが、輸送する冷蔵、冷凍装置も重要な役割を担っています。

万が一、不具合が発生した場合は、修理までにある程度の時間が必要になる場合もあります。
当社では翌日から乗れる車両を準備可能です。もしもの場合はご相談ください!!